- 困ったワン!
- しつけ
愛犬との生活の上で、困った時の対処方法をご紹介します。
ペットのしつけでお悩みの方も多いようです。しつけの正しいやり方やトレーニングのコツをご紹介します。
以前は、犬という動物は狩猟や牧羊など人間の仕事の補助をする家畜動物のひとつと考えられていました。また、群れで行動するオオカミをルーツに持つ動物である為、人間に服従させることが正しいしつけだと考えられてきました。
しかし、現在は家畜ではなく愛玩動物、また人間社会で共に生きる伴侶(パートナー)として存在しています。そうなると服従関係=しつけという観念ではなく、共に生きていくためのルールやマナーを守ること=しつけと考えられます。
重要なのは、しつける内容の一貫性です。どんな時にどんな事をしてはいけないのかのルール作りを家族で行って下さい。
また、犬は聴力が大変優れた動物です。人間の声のトーンやまわりの音でその時の状況を判断します。大きな声で繰り返し怒鳴っているとそのうち怒鳴り声そのものを雑音であると判断し、全く言うことをきかなくなります。
同様に、しつける時に注意しなければならないのが体罰です。思ったようにしてくれない・なかなか覚えないというイライラでつい手を出すことのないようにして下さい。人間の子供と同じで、悪いこと=怒られる・注意されるではなく、ぶたれる・蹴られる・怖いからやめるという理解に変わり、本質的な理解にはなりません。繰り返し根気よく取り組みましょう。
犬は個性も性格も千差万別
人間にも個性や性格の違いがあるように、犬も同様に個性も性格も千差万別ちゃんとあります。
それは、犬種の違いだけでなく雄雌の違いや毛種・毛色の違いなど様々です。
愛犬の気持ちを理解して、個性を尊重し充実した毎日が送れるようにしましょう。
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(1)犬がうれしい時
しっぽを振り、耳を立たせてはっきりした声(高音)でワンワンと鳴きます。体を大きく動かして跳ねたりグルグル廻ったりすることもあります。
⇒後ろ足で立ち上がり、前足をあげピョンピョンと跳びついてくるようなしぐさは「一緒に遊ぼうよ!」と誘っている証拠です。外に散歩へ行ったり、一緒におもちゃであそんだりしてあげましょう。
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(2)犬が悲しい時
しっぽを下げて目つきは上目づかいで表情も明らかに悲しげに見えます。クーンクーンと鼻を鳴らすような鳴き声を出します。相手が遠くへ行ってしまったと感じた場合は遠吠えをすることもあります。
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(3)犬が怒った時
鼻先にしわを寄せて上唇を上げて牙をむき出しにしてウーッウーッという唸り声(低音)をあげます。一目瞭然で怖い顔つきで、体勢は低く攻撃体勢をとっています。こんな時、犬の前に手を伸ばしたりすると相手が攻撃してきたと思い、咬み付いてきたり飛びかかってきたりすることもあります。
⇒このような場合、目と目を合うような姿勢を取るとケンカを売っていると犬は解釈するため注意して下さい。子供の場合は飛びかかられて転倒してケガをすることもあります。絶対に近づかないようにしましょう。
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(4)犬が恐がっている時
しっぽを後ろ足の間にはさみ、這いつくばるような低い体勢をとったり、震えたりします。その場から逃げてしまう場合もあります。
⇒低い姿勢になり、優しい穏やかな声で「よしよし、大丈夫だよ」など声をかけながら背中をなでてあげると安心して緊張が溶けていきます。
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(5)犬が降参した時
ひっくり返ってお腹を見せます。相手に降伏した・服従したというサイン。
⇒何か悪いことをして叱っている時にこの姿勢をとった場合は、きちんと立たせてから叱るようにしましょう。そのまま叱ることをやめてしまうと、この姿勢をとれば叱られない。と覚えてしまいます。
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(6)犬同士の挨拶
犬は肛門の付近にフォロモン・匂いを出す部分があり、犬同士はこれを嗅ぎ相手を確認・認識します。散歩中に犬同士が吠え合ったりしますが、この犬同士の挨拶で相手を認識すると吠えることはなくなります。
⇒ただ、相手に恐怖心や警戒心を抱いている場合は、吠えたり、飼い主の後ろに隠れてしまったりすることもあります。犬同士、友達になりたい場合は何度か顔を合わせ、様子を観察して下さい。打ち解けて性格が会うようであれば自然に一緒に遊べるようになります。
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(7)上下関係
犬は本能により上下関係の確認を行う習性があります。よって、マウンティング(交尾をする時の雄犬のポーズ)を遊びや散歩の途中にすることがあります。この姿勢は、上になるものが下になるものより強いという意味になります。多頭飼いしている場合は、遊んでいる時やケンカをした時などに行う場合もあります。
⇒マウンティングのポーズは発情していなくても、雌犬でも行うことがありますが、人間にすることは立場が逆転してしまいます。このポーズをとってきたら即やめさせるようにしましょう。
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(1)基本動作(コマンド)
家族の号令で以下の動きが出来るよう覚えさせましょう。ひとつひとつの動きを覚えさせるには、その体勢になるようにうまく導いてあげること、手を添えて体勢を作り認識させることを繰り返し行っていきます。上手に出来た場合はご褒美におやつをあげ、覚えさせるとよいでしょう。アイコンタクトも重要です。例えば、おすわりをさせた時は顔を上げ飼い主をしっかり見ていることで完璧。次の指示を待っていることになります。
基本動作
- おすわり(sit)
- 伏せ (down)
- 待て (wait)
- おいで (come)
- 行け (go)
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(2) トイレ
生後60日すぎからトレーニングを始めます。ペットショップによっては保育園で予めトレーニングをしているところもありますので、店員さんに状況を聞くことをお薦めします。大事なことはトイレ&トイレシートの上でおしっこやウンチはするものだと覚えること。トレーニング中に別の場所でしてしまった場合、現行犯以外は叱らず黙って臭いが残らないようにキレイに片づけて下さい。現行犯で発見した場合は声を荒立てず、トイレまで導き「ここで用をたす」とトイレシートの触感などを教えて下さい。初めの頃は、おしっこなどで汚れたシートをトイレに残しておき、臭いで導く方法が便利です。また、大きな声で怒ったりすると用をたすことがいけないこと。と誤って認識してしまい、隠れた見えない場所にするようになりますので気をつけて下さい。
⇒おしっこをしたい時はソワソワしたり床の臭いを嗅いだり、ウンチをしたい時はその場でクルクル回ってみたりおしりを下げたりします。よく観察しサインを見逃さない様にしましょう。また、うまく出来た場合はきちんと褒めてあげましょう。
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(3) 食事
食事は時間を決めて、同じ場所・同じ時間帯・同じ食器で与えるようにしましょう。食事というのは優先順位をしめす大切なものです。順番としては私達人間の食事が先で、そのあと貰えると教えることが大事です。一緒のタイミングや犬の食事を先にすると同じ立場もしくはそれより上だと理解してしまいます。食事も大切なしつけのひとつです。与える前に「おすわり」「まて」など声をかけ、「よし」と言われて食べ始めるようトレーニングしましょう。そうすることで誰から食事を与えられるかを理解して拾い食いなどの防止にもなります。
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(4) 留守番
犬だけを残して外出しなければならない場合の練習をしましょう。遠吠えや無駄吠えをする・いたずらをするなど目を離したら大変!というのでは安心して家をあけられません。まず、ケージの中でおとなしく過ごせるようにトレーニングします。そして、部屋にひとりにしてどうなるか観察、その時間を徐徐に伸ばしていきます。その時、「いってきます」や「ただいま」という声かけはしないようにしましょう。自然に振る舞うことが、犬も気にならずケージで過ごすことが出来ます。
⇒ひとりにさせるのが長期になる場合などは、ペットホテルやペットシッターなどを利用することをお薦めします。また、最近はウェブカメラを使い、室内の様子を見られる情報サービスもあります。
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(5) 甘噛み
子犬の頃はじゃれあう時や歯が生え変わる時に噛むという行動がありますが、大きくなってからもこのクセをほっておくと本人は遊ぶつもりが大きな怪我の原因にもなりかねません。玩具やガムなどを噛むよう遊びながら導きましょう。また、万が一噛んでしまった場合は「痛い」「やめなさい」と叱ってやめさせましょう。